プロジェクトサマリー
■予算額
上限159.2億円
■CO2の削減効果
- 2030年
- 約53万トン/年
- 2050年
- 約4,661万トン/年
■経済波及効果
- 2030年
- 約544億円
- 2050年
- 約2.0兆円
■研究開発目標
2030年
●高機能バイオ炭等の供給・利用技術の確立
- 農作物の収量性が概ね2割程度向上する高機能バイオ炭等を開発し、CO2を持続的に農地炭素貯留できる営農技術を確立
- 農地炭素貯留の取り組みによって生産された農作物の「環境価値」を客観的に評価する手法を確立
- 国産材を原料として支点間距離 8m、耐火2時間の等方性大断面部材を開発
- 10万円/m3以内で製造する技術を確立
- 開発部材の日本農林規格(案)と一般的設計法案を提示
- 栄養塩を溶出し10~18N/mm2の強度を有する基盤ブロック及び従来比1/4の軽量な海藻移植用カートリッジを開発
- 広域な藻場の造成と回復を実現する海藻供給システムを構築
【CO2削減効果及び経済波及効果の前提条件】
<CO2削減効果>
- 高機能バイオ炭等の供給・利用技術の確立
2030年:温室効果ガスインベントリ調査における現在のCO2固定量5,000トン/年に加え、今後の政策支援等によりバイオ炭導入見込みが100倍程度に増加すると仮定して算出。
2050年:農山漁村地域において利用可能なバイオマス資源量からバイオ炭等の年間供給可能量を推計し、国内CO2固定量を1,432 万トンと推計。また、バイオ炭等製造プラントの海外輸出規模を国内製造プラント建設と同規模と見込み、海外輸出によるCO2固定量を1,432 万トンと推計。 - 等方性大断面部材の開発
2030年:10 年以内に製造実証を行う過程において、延べ床面積5万m2に開発部材が活用されたと仮定。国産材3万m3(丸太換算)の使用により人工林が若返りが促進される結果、森林吸収量が潜在的に2.5 万トン/年回復し、床材等に 8,000トンのCO2が貯蔵されると推計。
2050年:開発部材を高層建築物等の新築床面積のうち500万m2に活用するとともに、新築面積が日本の30倍以上の中国等に向けて国内向けと同量を輸出すると仮定すると、国産材の新規需要600万m3/年(丸太換算)を創出し、491万トン/年の森林吸収量が回復するとともに高層建築物等に165万トン/年のCO2が貯蔵されると推計。 - 海藻バンク整備技術の開発
2030年:実証海域で造成される藻場面積を67.5haと見込み、CO2固定量を290トンと推計。
2050年:国内の藻場等のブルーカーボンによるCO2吸収量(約132万トン/年と試算)を維持するとともに、2050年までの世界の藻場消失面積のうち5%を本技術により回復すると仮定し、CO2固定量を1,141万トンと推計。
<経済波及効果>
- 高機能バイオ炭等の供給・利用技術の確立
2030年:先導的な取組が 10市町村程度で始まることを見込み、バイオ炭等の製造のためのプラントの建設費、バイオ炭等の輸送や農地施用等により510億円と推計。
2050年:高機能バイオ炭等による栽培技術体系が国内へ普及することを見込み、設備の建設費や補修修繕費、バイオ炭等の高機能化のための微生物資材費の販売等の経済効果を8,440億円/年と推計。また、海外でも同程度(40基/年)の製造プラント輸出を見込むほか、高機能バイオ炭等が世界の農地面積の1%相当に普及することを見込み、6,846 億円/年と推計。 - 等方性大断面部材の開発
2030年:国内販売により、16.5億円/年の経済波及効果、また国産材供給量の増加にともなう再造林面積の拡大による経済効果を2.4億円と推計。
2050年:国内販売と輸出により3,300億円/年の経済波及効果、また国産材供給量の増加にともなう再造林面積の拡大による経済効果を476億円と推計。 - 海藻バンク整備技術の開発
2030年:海藻バンク整備技術の技術開発を活用して5漁港程度で先行して整備が行われることを見込み、海藻育成システムの製造販売による経済効果を15億円と推計。
2050年:海藻育成システムの全国普及、新型カートリッジの生産体制の整備、海藻育成システムの製造販売により、1,213 億円と推計。
出所)研究開発・社会実装計画