バイオものづくり技術によるCO2を直接原料としたカーボンリサイクルの推進
2024年7月時点
プロジェクトサマリー
- 本プロジェクトは、研究開発項目1~3の実施を通じて、従来石化由来原料で製造されてきた製品の原料をCO2へ転換することや、ケミカルプロセスを微生物等のバイオプロセスに転換することによるGHG削減を目指すもの。
- CO2を原料に物質生産を行う独立栄養微生物として、各コンソーシアムでそれぞれ、①水素酸化細菌( CO2 、H2 、O2を利用)、②CO資化菌( COを利用) 、③微細藻類( 光合成を利用) の3種類について開発中。水素酸化細菌とCO資化菌では安全で効率的な「ガス発酵」技術について、藻類では独自の培養技術(フォトバイオリアクター)について、大規模実証を実施予定。
【研究開発項目1サマリー】
- 水素酸化細菌などのCO2固定微生物に関する利活用プラットフォーム(NITEコンソーシアム)を構築中。PJ期間中は「GIフォーラム」で利用可能とし、PJ終了後はNITEから公開予定。
- 水素酸化細菌(カネカコンソーシアム)や微細藻類(ちとせ研究所)の改変プラットフォームを構築中。
【研究開発項目2サマリー】
- 【水素酸化細菌】既に従属栄養で製造している生分解性プラスチック「PHBH」(カネカコンソーシアム)、現在は化石燃料から製造している化成品の原料(双日コンソーシアム)をターゲットとして、生産微生物を開発中。
- 【CO資化菌】現在は化石燃料から製造している芳香族を生産する微生物を開発中(積水化学工業コンソーシアム) 。
- 【藻類】光合成による高生産を目指した藻類開発を実施中(ちとせ研究所)。
【研究開発項目3サマリー】
- 【水素酸化細菌】【CO資化菌】従来のバイオマス原料からの微生物生産とは異なる、安全で効率的な「ガス発酵」プロセスを開発中(カネカコンソーシアム、双日コンソーシアム、積水化学工業コンソーシアム、富士フイルム)。
- 【水素酸化細菌】【CO資化菌】複数のコンソーシアムが参加し、2024年6月にガス発酵分科会を実施。爆発混合気を取り扱うガス発酵を安全に行うための指針を2者が策定し、本GI基金事業者全体へ共有した。
- 【藻類】効率的なフォトバイオリアクターによる光合成生産を目指して、100haの大型実証に向けて準備中(ちとせ研究所)。
- 【横断】 2024年6月に複数のコンソーシアムが参加し、LCA、標準化分科会を実施。LCAに関する基本的な認識を共有し、個社のLCA計算については、技術・社会実装推進委員の助言を得ながら個別に研究を推進している。また、CO2由来の生産物の認証制度など、各者共通の課題については、引き続き分科会での議論を継続する。
スケジュール
1. NEDO報告資料
経済産業省産業構造審議会グリーンイノベーションプロジェクト部会ワーキンググループにおけるNEDO報告はこちら。
- 2024年7月最新
- 2024年度 NEDO報告資料
2. 各事業者報告資料(事業戦略ビジョン)
各事業者の進捗状況はこちら。
実施体制・事業戦略ビジョン