次世代航空機の開発

次世代航空機の開発

プロジェクト概要

航空機産業は現在、新型コロナウイルス感染症の拡大による航空需要の落ち込みにより、世界的に大打撃を受けていますが、IATA(国際航空運送協会)は、今後の航空需要について2024年には2019年と同水準まで回復し、その後新興国などの経済成長を背景に年4%程度の持続的な成長を遂げると見込んでおり、成長を続ける産業といえます。

ICAO(国際民間航空機関)において「2020年以降CO2総排出量を増加させない」というグローバル目標が掲げられるなど急速に脱炭素化の要求が高まりつつあり、欧米OEMメーカーを中心に機体・エンジンの軽量化・効率化等に関する技術開発が実施されています。さらに、エアバス社が2035年に水素燃料および燃料電池を活用した「カーボンニュートラル航空機」を市場投入すると発表したことを受けて、水素航空機の開発競争も激化しています。

こうした状況を踏まえて本プロジェクトでは、水素航空機のコア技術開発や、次世代航空機に必要とされる航空機主要構造部品の複雑形状・飛躍的軽量化開発に取り組みます。本プロジェクトを通じて、カーボンニュートラルを目指す動きを国内航空機産業の競争力を飛躍的に強化する機会として捉え、水素や素材など国内の要素技術の強みを最大限活用することで機体・エンジンの国際共同開発参画比率(現状約2~3割)向上を目指します。

プロジェクトの特徴

〇水素航空機向けコア技術の開発

〇水素航空機向けコア技術の開発

水素燃焼に適した航空エンジン燃焼器や水素燃料貯蔵タンクを開発し、タンク重量については貯蔵水素燃料の2倍以下の重量を達成します。また、水素航空機機体構造を検討し、試験により2,000~3,000kmの航続性能を有する航空機の機体構想を確認します。

〇航空機主要構造部品の複雑形状・飛躍的軽量化の開発

〇航空機主要構造部品の複雑形状・飛躍的軽量化の開発

2035年以降に投入される特に中小型航空機の主翼等の重要構造部材につき、①既存の部材(金属合金)から約30%の軽量化(既存の複合材部材と比較すると約10%の軽量化)、②更なる燃費向上に向けた複雑形状・一体成型に対応するための強度向上(設計許容歪を1.1倍~1.2倍)を両立します。

プロジェクトサマリー

■予算額

上限210.8億円

■CO2の削減効果(世界)

2050年
3.9億トン/年(世界)

■経済波及効果(世界)

2050年
1.2兆円/年

■研究開発目標

水素航空機の成立に不可欠なコア技術
TRL6以上

中小型航空機の主翼等の重要構造部材
①既存の部材(金属合金)から

約30%の軽量化

②複雑形状・一体成型に対応するための強度向上
設計許容値を1.1倍~1.2倍
③ ①・②についてTRL6以上

【CO2削減効果及び経済波及効果の前提条件】

  • 2050年時点の運航機数のうち、中小型かつ国内線(全体の40%)のうち半数が水素航空機に代替、半数が電動化されると仮定
  • 国際線及び大型機を含めた機体に軽量化技術が導入され、その燃費向上効果は2%と仮定
  • 2050年のジェット燃料による CO2排出量(国際線+国内線)を18.0億CO2t/年として試算
  • 2050年時点の新規航空需要のうち約80%が単通路機、約20%が双通路機であると仮定
  • 単通路機の半分(全体の40%)が水素航空機、残りの半分が電動航空機であると仮定
  • 水素航空機の機体・エンジン全体の20%、その他すべての航空機の5%に本事業により確立された技術が搭載されると仮定

出所)研究開発・社会実装計画