次世代型太陽電池の開発

次世代型太陽電池の開発

プロジェクト概要

2050年カーボンニュートラルの実現に向けて、太陽光発電を含む再生可能エネルギーの主力電源化を目指し、最大限導入を進めていく必要があります。平地の少ない我が国において、太陽光発電の適地を確保する手段の一つとして、既存の技術では設置できなかった、耐荷重の小さい工場の屋根やビル壁面等への導入が考えられます。そうした場所への設置を実現するためには、電池の軽量性や壁面等の曲面にも設置可能な柔軟性等を兼ね備え、性能面(変換効率や耐久性等)でも従来のシリコン太陽電池に匹敵する次世代型太陽電池の開発が不可欠です。

そこで本プロジェクトでは、次世代型太陽電池(ペロブスカイト太陽電池)の基盤技術の開発や、製品レベルの大型化を実現するための各製造プロセス(例えば、塗布工程、電極形成、封止工程など)の個別要素技術の確立に向けた研究開発を行うことを通して、現時点における従来型シリコン太陽電池と同等の発電コスト14 円/kWh 以下の達成を2030年までに目指します。

プロジェクトの特徴

〇次世代型太陽電池の基盤技術開発事業

ペロブスカイト太陽電池は、原料・溶液の数万通り以上の配合方法から最適な組合せを見出し変換効率の向上と長期にわたり性能を維持する耐久性の向上、また、製品の市場獲得に向けて電池の性能や劣化要因等を分析・評価する手法の開発、標準化が必要です。そのため、ペロブスカイト太陽電池の最適な材料組成や変換効率と耐久性を両立する電池の要素技術、分析・評価技術の研究開発を行います。

〇次世代型太陽電池の実用化事業

設置場所に求められる形態と変換効率、耐久性及び発電コストを満たすペロブスカイト太陽電池モジュールの実現に向け、「次世代型太陽電池の基盤技術開発」の基盤技術を活用しつつ、製品レベルの大型化を実現するための各製造プロセス(例えば、塗布工程、電極形成、封止工程など)の個別要素技術の確立に向けた研究開発を行います。

〇次世代型太陽電池の実証事業

品質を安定させつつ大量生産可能な量産技術の確立に向け、「次世代型太陽電池の実用化事業」で確立した各製造プロセスについて、連動した一連の生産プロセスとして高いスループットや高い歩留まりの実現する技術開発を行います。ペロブスカイト太陽電池の特徴である軽量性・柔軟性を活かした設置方法や施工方法等を含めた性能検証のため、フィールド実証を行い、必要に応じて検証結果を踏まえた改良を進めます。

プロジェクトサマリー

■予算額

上限498億円

■CO2の削減効果(日本)

2030年
60万トン/年
2050年
1億トン/年

■経済波及効果(日本)

2030年
125億円
2050年
1.25兆円

■研究開発目標

2030年度までに、一定条件下(日射条件等)での発電コスト14円/kWh以下を達成

【CO2削減効果の前提条件】

  • 太陽光発電は2019年で世界全体で112GWが導入されており、2030年まで足元ペースで導入が進むと仮定する
  • 2030年時点では次世代型太陽電池の市場は限定的であり、世界の太陽電池市場のうち次世代型太陽電池が1%を占めると想定すると、その導入量は約3.5GWと想定される
  • 太陽光電池は2030 年から2050年に向けて年間平均120GW程度のペースで導入すると推定する
  • 2050年時点では次世代型太陽電池の市場は太陽光電池全体の50%、導入量は約0.6TWと想定される
  • 日本企業のシェアを世界の太陽電池市場が急拡大した2010年以降のピークシェアである25%と同等と仮定する

【経済波及効果の前提条件】

  • 太陽光発電は2030年までに累積2TW、2050年までに累積4.4TWが導入されると予測されている
  • 上記の予測を前提として、2030年時点の年間の世界での市場規模は約5兆円、2050年時点では約10兆円となる
  • 世界の太陽電池市場のうち次世代型太陽電池は2030年時点で1%、2050年時点で50%を占めると想定する
  • 日本企業のシェアを世界の太陽電池市場が急拡大した2010年以降のピークシェアである25%と同等と仮定する

出所)研究開発・社会実装計画