洋上風力発電の低コスト化

洋上風力発電の低コスト化

プロジェクト概要

2050 年カーボンニュートラル実現に向け、再生可能エネルギーを最大限導入することが求められます。洋上風力発電は、大量導入やコスト低減が可能であるとともに、経済波及効果が期待されることから、再生可能エネルギーの主力電源化に向けた切り札とされています。

これまで欧州を中心に洋上風力発電の導入が拡大していますが、2050年にかけてはアジア市場の急成長が見込まれます。特に、急深な地形が広がる日本・アジアにおいて、低風速・台風・落雷等の気象条件や海象等を踏まえて最適化するニーズが高まっています。

そこで本プロジェクトでは、2030 年までに一定条件下で着床式洋上風力発電の発電コストが8~9円/kWhとなることを見通せる技術及び浮体式洋上風力発電を国際競争力のあるコスト水準で商用化する技術の確立を目指します。これまで取り組んできた実証事業等による知見も踏まえ、浮体式を中心とした洋上風力発電の早期のコスト低減を行い、導入拡大を図ります。

プロジェクトの特徴

〇次世代風車の技術開発事業

陸上風力で培った技術力や国内ものづくり基盤の他、日本の強みである生産技術・品質管理、工場の自動化等のロボティクスを活かし、風車全体のバリューチェーンを効率化・最適化するため、グローバルメーカーとの協働を視野に入れつつ、風車仕様の最適化、風車の高品質大量生産技術等に関する技術開発を推進します。

〇浮体式の基礎製造・設置低コスト化技術開発事業

日本の強みである造船技術の基盤やドック等のインフラを活かし、浮体の大量生産技術を世界に先駆けて確立するため浮体基礎や係留システムの最適化、低コスト施工技術の開発等に関する技術開発を推進します。

〇洋上風力関連の電気システム技術開発事業

グローバルな競争優位を確保している国内ケーブルメーカーの技術力を活かし、日本・アジアの特性である台風等の厳しい気象条件やうねり等の海象に適応するため高電圧ダイナミックケーブル、浮体式洋上変電所に関する技術開発を推進します。

〇洋上風力運転保守の高度化事業

陸上風力で開発されたスマートメンテナンス技術を日本の強みとして、コストの3割超を占めるメンテナンスの高度化に向けて運転保守及び修理技術、監視及び点検技術の高度化等に関する技術開発を推進します。

〇浮体式洋上風力の実証事業

風車、浮体、係留システム、ケーブルの挙動・性能・施工性・コストを考慮した一体設計により、信頼性の向上と低コスト化が必要であるため、ユーザー(発電事業者)を巻き込んでプロジェクト全体の発電コスト低減にコミットする形で、システム全体として関連技術を統合した実証を行います。