次世代船舶の開発

次世代船舶の開発

プロジェクト概要

国際海運全体からのCO2排出量は世界全体の排出量の約2.1%(2018年時点)を占めております。世界経済の成長を背景に、海上輸送需要は今後も増大すると予測されていることから、何も対策を講じなければ海上輸送のCO2排出量はさらに増大することになります。

海上輸送のカーボンニュートラルの実現には、既存燃料の重油から、水素・アンモニア・カーボンリサイクルメタン等のガス燃料への転換が必須であり、水素・アンモニアを燃料とする船の舶用製品の開発および、LNG(カーボンリサイクルメタン等を含む)燃料船のメタンスリップ削減が必要とされています。

そこで、本プロジェクトでは、2050 年にゼロエミッション船を本格的に普及させるべく、水素燃料船およびアンモニア燃料船の開発(エンジン、燃料タンク、燃料供給システムの開発)及び実船実証を行います。それに加え、LNG燃料船の課題のひとつであるメタンスリップ対策も実行します。これにより、我が国の造船業・舶用工業の国際競争力を強化するとともに、海運業も一体となって社会実装を進めることを目指します。

プロジェクトの特徴

〇水素燃料船の開発

〇水素燃料船の開発

船舶のゼロエミッション化を図るために、水素専焼を目指したエンジン・燃料タンク・燃料供給システムに係る要素技術開発を行い、2030年までに水素燃料船の実証運航を完了します。

〇アンモニア燃料船の開発

〇アンモニア燃料船の開発

合理的に温室効果ガス削減効果が得られる範囲でアンモニア燃料の使用比率の高いエンジンや燃料タンク・燃料供給システムに係る要素技術開発を行い、2028年までのできるだけ早期に商業運航を実現します。

〇LNG燃料船のメタンスリップ対策

〇LNG燃料船のメタンスリップ対策

温室効果の高いメタンの排出量削減のため、LNG燃料エンジンについて、触媒方式・エンジン改良方式のメタンスリップ対策技術を開発し、2026年までにLNG燃料船のメタンスリップ削減率60%以上を実現します。