製造分野における熱プロセスの脱炭素化

製造分野における熱プロセスの脱炭素化

プロジェクトサマリー

■予算額

上限325.1億円

■CO2の削減効果(ポテンシャル推計)

2040年
0.2億トン/年(日本)
2050年
0.8億トン/年(日本)

■経済波及効果(世界市場規模推計)

2040年までの累計
4.2兆円
2050年までの累計
10.0兆円

■研究開発目標

1. カーボンニュートラル対応工業炉に関する共通基盤技術の開発
2026年度までに、次の 2.から 4.の研究開発目標の達成に必要となる共通基盤技術を確立し、2031年度までの各研究開発目標の達成時に当該共通基盤技術が用いられることを目標とする。
2. 金属製品を取り扱うアンモニア燃焼工業炉の技術確立
①2031年度までに、天然ガス等の既存燃料とアンモニアとの50%混焼工業炉を確立する。
②2031年度までに、既存の工業炉との比較において、金属製品の品質、NOx排出量、燃焼安定性・制御精度、長期運転安定性等が同一水準以上となるアンモニア 100%専焼技術について、TRL6以上相当*を実現する。
*IEAのTRL6 以上相当:システムモデルあるいはプロトタイプの相当環境での実証を実施。
3. 金属製品を取り扱う水素燃焼工業炉の技術確立
①2031年度までに、天然ガス等の既存燃料と水素との 50%混焼工業炉を確立する。
②2031年度までに、既存の工業炉との比較において、金属製品の品質、NOx排出量、燃焼安定性・制御精度、長期運転安定性等が同一水準以上となる水素 100%専焼技術について、TRL6以上相当を実現する。
*IEAのTRL6 以上相当:システムモデルあるいはプロトタイプの相当環境での実証を実施。
4. 電気炉の受電設備容量等の低減・高効率化に関する技術の確立
①2031年度までに、アンモニア・水素燃焼技術と電気加熱を組み合わせたハイブリッド運転技術や、汎用的な熱プロセスシミュレーション・デジタルツイン技術等の確立を通じて、既存電気炉に置き換えた場合より、ピーク電力消費量及び受電設備容量を30%以上削減する技術を確立する。
②2028年度までに、電気炉の廃熱利活用技術、高出力ヒーター、抵抗体の劣化防止・長寿命化技術等の確立を通じて、既存の電気炉に比べて、15%以上の省エネルギー技術を確立する。

【CO2削減効果の前提条件】

政府目標であるアンモニア・水素の供給等が計画どおり進展することを前提として、エネルギー源の供給制約は考慮せずに試算。国内3.7万基の工業炉の数は変動しない仮定の下、一基あたりのCO2 排出量を基準として、2032年度以降にアンモニア・水素の50%混焼の燃焼炉(又はそれに相当する電気炉)に毎年一定数ずつ更新されていくものとして試算。2040年度以降はアンモニア・水素の100%混焼の燃焼炉(又はそれに相当する電気炉)に毎年一定数ずつ更新されていくものとして試算。

【経済波及効果の前提条件】

国内3.7万基の工業炉が、平均価格約1億円の2倍程度(燃料供給設備費等も含む。)の付加価値として、2032年度以降にアンモニア・水素の50%混焼の燃焼炉(又はそれに相当する電気炉)が毎年一定数(約1,300基)ずつ普及(更新)されていくものとして試算。2040年度以降はアンモニア・水素の100%専焼の燃焼炉(又はそれに相当する電気炉)が毎年一定数(約1,300基)ずつ普及(更新)されていくものとして試算。 海外については、国内同様に一基あたり2億円(燃料供給設備費等も含む。)の付加価値として、アンモニア・水素の50%混焼の燃焼炉(又はそれに相当する電気炉)が現状の輸出額(約53億円)・基数(約530基)の2倍程度、100%専焼の燃焼炉(又はそれに相当する電気炉)が現状の輸出額・基数の3倍程度で毎年普及するものとして試算。

出所)研究開発・社会実装計画